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2023年贈与税 改正

2023.10.28CATEGORY:

2023年の税制改正により、暦年贈与と相続時精算課税制度に大きな変更がありました。

毎年1月1日から12月31日までの1年間に110万円の非課税枠があります・・・基礎控除

基礎控除内の贈与であれば贈与税はかかりません。もし110万円を超えてしまってもその超えた部分のみに贈与税はかかります。

■暦年贈与制度

1月1日から12月31日までの1年間における贈与総額を110万円以下にすることで、贈与税がかからないように贈与することを暦年贈与といいます。

贈与された財産は、将来相続が発生した場合、相続財産に含まれないため相続税の節税になります。贈与を基礎控除内の範囲で行えば贈与税の負担も発生しないで無税で財産を子供や孫に渡すことができます。亡くなる直前に贈与をすれば、贈与税、相続税の負担を逃れることができてしまいます。

*改正前

そこで、相続開始前3年以内に贈与された財産は、相続財産に含めることとされます。(持ち戻し)

持ち戻しになると生前贈与をしても相続税の節税にはなりません。

*改正後

税制改正により、この持ち戻しの対象となる暦年贈与がこれまでの相続開始前3年以内から7年前に延長されます。ただし、改正後に対象となった4年間については、総額100万円までは相続財産に加算されません。

※生前贈与の加算期間の延長については、いずれも2024年1月1日以降の贈与から適用される予定です。2026年の相続まではこれまで通り加算期間は3年間で2027年の相続から徐々に伸びて2030年12月31日以降は7年加算になります。2023年12月31日までは現在の制度が適用になります。

■相続時精算課税制度

贈与を行った場合は、暦年贈与のほかに相続時精算課税制度の適用を受けることができます。

相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の祖父母や父母から18歳以上の子または孫に生前贈与をする際に、贈与者(贈与する側)ごとに選択できる制度です。

相続時精算課税制度を選択すると、父母や祖父母など同一人物からの生前贈与を行っても2,500万円までの非課税枠があり、この金額までの贈与は贈与税がかかりません。非課税枠を超えて贈与を行うと。一律20%の税率で贈与税が発生します。

贈与者が亡くなると、それまでに贈与した財産はすべて相続財産に加算され相続税の計算をします。ただし、贈与税として納付した金額がある場合には、その額を差し引き、差額を納税します。つまり、相続時精算課税制度では贈与した財産はすべて持ち戻しの対象になっています。

※一度相続時精算課税制度を利用すると、その後同じ贈与者からの贈与は暦年贈与へ変更することはできません。

※少額の贈与であっても毎年贈与税の申告をする必要があります。

*改正後

従来の制度に加えて、年間110万円の基礎控除を新たに設けることになりました。また年間110万円以下の贈与は暦年課税制度と異なり、期間に関係なく生前贈与加算の対象となりません。

※ただし年間110万円を超える贈与については、現行制度と変わらないため贈与時の時価額で相続財産に加算されます。

※年間110万円の基礎控除額以内であれば贈与税申告の必要がなくなります。

※相続時精算課税制度を利用して贈与した財産は、災害などで被害が出た場合、一定上の被害が出た場合に限り被害を受けた分の金額を控除することが可能です。

2023年の税制改正ではほかにも贈与税や相続税に関連していくつかの変更点があります。

■教育資金の一括贈与

教育資金を子や孫に一括贈与するときに1,500万円まであれば贈与税が非課税になる制度。

2023年3月31日までの贈与に限り特例措置として適用。

→ 適用期間が3年間延長(2026年3月31日までの贈与)

■結婚子育て資金の一括贈与

結婚や子育て資金として子や孫に一括贈与するとき、1,000万円までであれば贈与税が非課税になる制度。

2023年3月31日までの贈与に限り特例措置として適用。

→ 適用期間が2年間延長(2025年3月31日までの贈与)

■空き家特例の見直し

相続や遺贈により受け取った被相続人の居住家屋・敷地などを売却した時に生じる金額に対して、3,000万円までの控除が適用される制度。

2023年3月31日までに売却した財産が対象。

→ 適用期間が4年間延長(2027年3月31日までに売却)

※空き家特例の適用を受ける対象者が3人以上いるときは、1人当たりの特別控除額は2,000万円に減額されます。

相続・贈与する財産が多い場合は、節税に繋がる制度をよく理解しましょう。ただし税に関する規定は複雑でなかなか理解しにくいものです。きちんと把握して上手に活用することで税務対策も可能になります。

注文住宅を建築される場合、ご両親、祖父母から資金援助をしてもらう方もいらっしゃると思います。一定額以上のお金を受け取った場合は贈与税を払う必要があります。

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