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人気のリビング階段を考えてみた

2019.04.11CATEGORY:

リビング階段とは「リビングイン階段」とも呼ばれ、リビングの中に階段を設置する手法。近年ではリビング階段を好む家庭が多く、人気の間取りの一つです。
それは家族間の絆を育むといったさまざまなメリットがあるから。しかしデメリットもあります。そこで、それらを比較検討してみましょう。

自然と家族間のコミュニケーションが増える

家族が集うリビングに階段がある「リビング階段」。玄関近くや廊下に設けられた階段とは違い、1階に下りる時、2階に上がる時は必ず家族のいる場所を経由します。
そのため、自然と家族間のコミュニケーションが増えるという素敵な効果があります。お子さんが帰宅した時の「ただいま」と「おかえり」の挨拶は日常になり、
しかも顔を合わせながらできるので、表情の変化やお子さんの様子などもすぐにキャッチできます。出かける時も同様の効果があり、
いつ誰が出かけたかという把握ができるのは便利です。

また、リビングの話し声が上の階に聞こえることもあるため、楽しげな会話についつい参加したくなり、部屋から出てきてみんなでリビングでおしゃべりなんてことも。
そして、リビングから「ご飯できたよ~」「ちょっと手伝って~」などの声かけもでき、忙しいママたちにとっては時短にもなります。
リビング階段は天井で区切らず、2階へ続くスペース。そのため空間を広く見せる効果があり、2階からの日差しを取り込むことでリビングに明るさをもたらします。
また、階段をベンチ代わりにしたり、階段下に机を置いて子どもたちの勉強場やママコーナーにしたりなど、リビングの中にもう一つ違うスペースを作ることも可能です。

デメリットはあるけど上手に改善できる

家族の絆を育むのにメリットが大きいリビング階段には、残念ながらデメリットもあります。その一つは、暖かい空気である暖房の熱が上に流れてしまうことや
上の階の冷気が下りてくること。また、暖めたり冷やしたりするのに少し時間がかかるといった室温の問題です。しかし、今の住宅の断熱性や気密性は非常に優れているので、そこまで大きなデメリットにはならないこともあるかもしれません。
リビング階段を設けたい場合は、断熱性や気密性についても建築屋さんや不動産会社と相談するといいでしょう。

プライバシーの確保という点では、家族と顔を合わせたくない気分のときでも、リビングを通らないといけません。しかし、リビング階段によって家族間の風通しがよくなれば、こうした気分も家族とのコミュニケーションによって緩和することもあるでしょう。また、お客さまがリビングに来ていれば、2階に上がる時も1階に下りる時もお会いしないといけません。
こうした予定はみんなで共有しておくことで、家族間のコミュニケーションの一つにもなるかもしれません。

他にもあるデメリットの解決策

デメリットへの対策として、もう少し見ていきましょう。冷断熱に関しては、リビング階段のスペースをカーテンで仕切ったり、階段部分にあらかじめドア等の仕切りを設けるといった取り組みで防げるかもしれません。これは、急な来客時に散らかっているものを階段部分に隠しておくことにも役立ちます。そして、プライバシー確保の対策には、リビング階段の位置をリビングの中で玄関に近い場所に設計するといった方法もあります。このようにリビング階段のデメリットは、意外と解決策があります

家族みんなで集まって会話が弾む、そんな楽しい毎日を送るのに一役買うリビング階段。新築やリフォーム時にはぜひ取り入れたい方法の一つですね。